九月第三週 重陽を過ぎても蝉の声がやまず、縁側から差し込む西日が一層強く感じられる。白磁の湯呑みが残す円い輪染みを眺めながら、ゆっくりと煎茶をすする。 Sorry, Japanese only.

電車 × 『ぶらんこ』

2026-09-16・毎日の一枚

ジャン=オノレ・フラゴナール『ぶらんこ』
ジャン=オノレ・フラゴナール『ぶらんこ』(1767年頃)

書斎の埃を払った古い図録を開き、ジャン=オノレ・フラゴナールの『ぶらんこ』に描き出された絹のドレスの裾と、茂みから向けられる熱っぽい視線をぼんやりと眺めている。二十三位に位置する電車という言葉は、十両の席、すなわち幕内の下で名が刷られる側にのそのそと並んでいる。揺れる足元と滑り出す車体の遠心力は、密やかな覗き見の欲望と遊戯の構造において、見事に一対をなしているかもしれないが、このこじつけは少々乱暴かもしれない。乗り物は常に誰かの視線と速度の遊戯を乗せて走るものだ。

柱時計の音が響く書斎で冷めかけた煎茶の湯呑みをそっと手に取り、埃をかぶった名画集のページをめくりながら見慣れぬ番付の並びを検分する。

作品情報:ジャン=オノレ・フラゴナール『ぶらんこ』 1767年頃・油彩・カンヴァス・ウォレス・コレクション(ロンドン)所蔵。画像:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

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教授の名画集(準備中)毎日の一枚をまとめた画集。